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相続・遺言の話~遺贈の承認と放棄について~

遺贈は遺言者の死亡の時に効力が発生しますが、遺言者の単独行為であるため、受遺者(遺贈によって利益を受ける者)は遺贈を強制されるわけではなく、遺贈を承認するか放棄するかを選択できることになっています。
ただし、包括遺贈と特定遺贈とでは以下の違いがあります。
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するとされており、包括遺贈は相続の承認と放棄の規定が適用されます(民法915条)。
すなわち、包括遺贈の放棄は遺言者が亡くなったことを知った日、または自分に対して遺贈があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申述をします。
期間内に放棄の申述をしない場合、単純承認したものとみなされます(民法921条2号)。
特定遺贈の受遺者は遺贈の承認と放棄が自由(民法986条)であり、放棄に関する期間が定められていないため、遺言者の死亡後いつでも遺贈を放棄することができるようです。
この場合、家庭裁判所への放棄の申述も不要であり、遺贈義務者(相続人)に対する意思表示で行います。
なお、いつまでも明確な意思表示がない場合には関係者が困るため、利害関係者などが受遺者に対し、期間を定めて承認の確認の催告をすることができ(民法987条)、受遺者が期間内に意思表示しない場合、承認したものとみなされます。
ひとたび行った遺贈の承認や放棄は、意思表示の瑕疵または無能力を理由とする取消以外は撤回することができないようです。
なお、遺贈が放棄された場合、遺言に定めがない限り、受遺者が受けるべきであった財産・権利は遺言者の相続人に帰属することになります。

相続花子

この記事を監修した行政書士

P.I.P総合事務所 行政書士事務所

代表

横田 尚三

保有資格

行政書士

専門分野

「相続」、「遺言」、「成年後見」

経歴

P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。


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