相続・遺言の話~ウエルシア創業者がイオンに託した遺言~
日本経済新聞に、こんな記事が載っていました。
以下、引用。
イオンは14日、2015年2月をめどにグループでドラッグストア大手のウエルシアホールディングス(HD)を連結子会社化する方針を発表した。資 本・業務提携を拡大し、年6兆円を超えて成長が続くドラッグストア業界で攻勢を強める。目指すはドラッグストア「日本一」。業績好調のウエルシアが傘下入 りを選んだ背景には創業者の「遺言」があった。
「イオンとの関係を深め有望市場で一気に頂点まで駆け上りたい」。14日記者会見したウエルシアHD会長の池野隆光(70)はこうぶち上げた。 ウエルシアHDの売上高は13年8月期で3343億円と業界3位グループ。同日には、5月1日付で副社長の水野秀晴(60)の社長昇格と、9月1日付でウ エルシア関東、高田薬局(静岡市)など子会社4社を合併させる刷新策を発表した。さらにウエルシアに29.2%出資するイオンが出資比率を過半数まで引き 上げる方向で協議する。
2月21日夕方。国立がん研究センター中央病院の病室にイオン社長の岡田元也(62)の姿があった。呼び出したのは同病院で闘病中のウエルシア創業者、鈴木孝之(76)だった。
医師に余命数カ月と宣告されていた鈴木は看護師を退席させると岡田にこう語りかけた。「俺はもう後がない。ウエルシアを守ってやってくれないか」。岡田は「わかりました」と応じた。
不況知らずで成長してきたドラッグストア業界だが、最近は伸びが鈍っている。都市部では出店余地が限られるほか、ディスカウント店やコンビニエンスストア との競合が激化。ウエルシアはイオンに対する警戒心を解き、「連携してより強く生き残れる企業になる」(池野)道を選んだ。
イオンとして も申し出は「渡りに船」だった。同社は旧ジャスコ時代から「ゆるやかな連帯」によるグループ経営で、各地のドラッグストアに1~3割程度出資。ウエルシア HDやツルハホールディングスなど11社と組織する連合「ハピコム」をまとめ、医薬品など自主企画品の共通化や人材育成で協力してきた。
だが各社とイオンとの連携には温度差があり、11社合計で売上高1兆円を超えるハピコムグループの強みを発揮できているとは言い難い。07~08年には 同グループのCFSコーポレーションが調剤薬局最大手アインファーマシーズと経営統合すると発表したことに反発。委任状争奪戦を繰り広げた末に何とか傘下 に収めるなど、「ドラッグ業界での主導権を握れそうで握れていなかった」(イオン幹部)。
今後はウエルシアHDを中核に据え、ド ラッグストア事業を強化する。ウエルシアの医療、介護事業に、イオンの電子マネーや店舗開発ノウハウを組み合わせることでサービスの拡充を狙う。グループ の事業集約も進める。まずはイオン子会社のタキヤ(兵庫県尼崎市)とシミズ薬品(京都市)をウエルシアに統合。イオンは「現状は全く白紙」と否定するが、 子会社のCFSを統合すれば売上高は5千億円規模になり、首位のマツモトキヨシホールディングスを一気に追い抜く。
とはいえ課題も少なく ない。約13%出資するツルハホールディングスは昨年、中国地方の準大手買収を表明するなど独自路線を強めている。過去には11%出資していたスギ薬局 (現スギホールディングス)と資本・業務提携を解消するなど、グループのかじ取りは容易ではないとの声は多い。
2月21日の会談の数日後。「日本一のドラッグストアチェーン」構想に執念を燃やしてきた鈴木は抗がん剤治療を止めるよう医師に願い出て3月13日、息を引き取った。
「鈴木氏の夢である日本一をぜひとも達成したい」。14日、イオンの岡田は語った。鈴木の遺志を引き継げるか。イオンの次の一手に業界中が固唾をのんで見守っている。
亡くなる前に自らの意思を伝えるというのは重要ですね。
遺言のことなら、当事務所にご相談ください。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。