63歳年の差婚 1,500億円遺産の行方
ザ!世界仰天ニュースより。世界の仰天遺産相続の記事です。
1991年、アメリカ・テキサス州ヒューストンにあるナイトクラブで、店のナンバーワンダンサーとして活躍していたヴィッキー(当時24歳)。 彼女の噂を聞きつけて、ある老人が店を訪れた。彼はなんと、マーシャル石油会社の大富豪J・ハワード・マーシャル(当時87歳)。 ヴィッキーに一目惚れしたハワードは彼女をランチに誘い、欲しい物は何でも買い与えた。そして、ハワードはヴィッキーにダンサーをやめるように伝え、生活をサポートすると申し出る。 そんなヴィッキーの生活は…10代で結婚、出産、離婚を経験しており、シングルマザーとして一人息子を育てていた。 また数年前に豊胸手術をして大きくセクシーな胸を手に入れていたが、その豊な胸のせいで酷い腰痛に悩まされ、鎮痛剤に頼る日々。 そんな彼女にとってハワードの申し出は夢のような話だったが、彼女はハワードの申し出を断ってしまう。それは、プレイボーイ誌のグラビアを飾るという夢を叶えるためだった。
そして、1992年、その夢は叶えられた。アンナ・ニコル・スミスと名を変えて、ヴィッキーはグラビアを飾ったのだ。 多額の契約金を手に入れたアンナは、元マリリンモンローの豪邸に住み、パーティー三昧の日々を送るように。 そんな順風満帆の彼女であったが、ある夜、パーティーの途中で腰痛がひどくなり、酔った上に多量の鎮痛剤を飲んでしまった。 そのまま意識を失い、病院へ救急搬送。命は取り留めたものの、その事件は彼女のイメージを大きくダウンさせ、広告の契約なども一気に解消となってしまう。 ようやく手に入れた富と名声。一気に失ってしまうことを恐れた彼女はある人物を頼る。それは、あの大富豪ハワード・マーシャルだった。ハワードと連絡を取るのは、ダンサーとして働いていた頃以来のこと。 3年ぶりにハワードに会ったアンナは、なんと彼に逆プロポーズ!!さらにハワードも家族の反対を押し切り、アンナの結婚の申し出をすぐに受け入れたのだ! その年の差なんと63歳!世間は「財産目当てに年老いた大富豪が騙された」と騒ぎ立てた。
この結婚を快く思わない人物がいた。それはハワードの息子・ピアース。突然現れ、マーシャル家の財産を相続することになるアンナが当然気に食わない。 そして、結婚から1年後の1995年、ハワードが90歳で死去。莫大な財産がのこった。大富豪ハワードがのこした遺産は16億ドル。 当時の日本円で約1.500億円。 テキサス州の法律では、結婚前の財産であってもアンナには1/3の遺産を相続する権利があるはずだが、アンナはハワードの息子ピアースから、その権利はないと告げられる。 ハワードの遺言書には、遺産は全てピアースが管理するとされているというのだ。納得のいかないアンナは法廷で闘うことに。 さらにハワードの死を聞きつけ突然現れたハワードの長男ハワード3世も加わった。遺産を分けろと訴えるアンナとハワード3世。 どちらにも渡したくないピアース。アンナとハワード3世がピアースをそれぞれ訴えるという形で遺産争いの裁判が始まった。
そして、ハワードの死から6年たった2001年、最初の判決が下された。 それはハワードの遺言の有効性を支持し、アンナ及びにハワード3世には遺産は渡らないという判決。 その判決を不服としながら、アンナはピアースによって財産権を侵害されたという別の訴えを起こした。 本当は遺言書は書き換えられるはずだったのに、ピアースがそれを妨害したと訴えたのだ。
双方とも決着がつかぬまま、時がたった2006年。なんとピアースが亡くなってしまう。感染症と発表されたが、なんとも不思議なタイミングの急死と世間は騒いだ。 そしてさらに驚きの出来事が…!なんと今度はアンナが女の子を出産!!女の子の父親が誰なのか…何も明かさないままの出産だった。しかし更なる悲劇がアンナを襲う!
それは長男の死。長女・ダニエリンが生まれてからわずか3日後のことだった。死因は薬の過剰摂取とされた。悲しみにくれるアンナ。 彼女は薬なしでは生活できないほど、心も体もボロボロに…。そしてダニエルの死からわずか半年後の2007年2月、アンナも39歳という若さでこの世を去ってしまった。
次々と当事者が死ぬ法廷。遺産は、残されたアンナの娘・ダニエリンとピアースの妻で争うことに。そうなると気になるのがダニエリンの父親は誰なのかということ! ついにDNA鑑定まで行い、父親は芸能ジャーナリストのラリー・バークヘッドであると判明。彼が代理人となり、裁判は続く。 そして2011年、ついに決着が…。判決はアンナ側への相続はなしというもの。 しかし、アンナが財産権の侵害を訴えていた裁判では、ピアース側からダニエリンに多額の制裁金が支払われることとなった。 その制裁金の額はまだ決定しておらず、49億円にのぼるのではないかと騒がれている。 こうして莫大な遺産を巡り、次々と当事者が亡くなった呪われた法廷が、幕を下ろそうとしている。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。