50代の相続の意味
こちらサイトより引用です。
以下ご覧ください。
50代にとって相続はどんな意味を持つのか。2012年に5500人の相続人を対象に調査を実施したが、回答者で最も比率が大きかったのが50代で、39・5%を占めた。そこで、どれくらいの相続を受け、どうしたのかをアンケート結果からのぞいてみよう。
相続額の詳細まで回答した相続人2478人の平均値は3172万円。52・0%が1000万円未満の相続額だったこともあり、中央値は862万円に留まっている。相続した資産でみると、現金や預貯金を相続した人が87・1%、有価証券が18・4%、自宅など不動産が32・3%だった。
ほとんどの相続人が現金や預貯金を相続していることが分かったが、相続額に占めるその比率はそれほど高くない。相続額に占める比率は、現金や預貯金に有価証券も含めても、1割と回答した人が12・6%、2割が17・4%、3割が20・0%で、合計するとちょうど50・0%。相続では、流動化しやすい資産の比率はそれほど高くない。
すなわち9割近い相続人が流動資産を受け取っているが、資産全体の構成でみると流動資産は高くない。相続税の支払いという面からすると、不動産などの相続資産を売却せざるを得なくなる姿が垣間みえる。相続が必ずしもメリットとなっていないようだ。
相続資産から投資を行った人はどんな金融商品に投資したのか。アンケート対象5500人で「相続した現金、預貯金で金融商品に投資した」と回答したのは290人。表はその人たちに具体的な投資対象の金融商品を聞いた結果だ。
最も多かったのが日本株。次に外貨預金などの外貨金融商品、日本国債、そして海外債券に投資する投資信託で定期的な分配金があるもの、と続く。分配型の投資信託は、投資対象で複数に分けたことで個別には少なくみえるが、いずれかの定期的な分配金のある投資信託としてくくると23・4%となり、日本株に次ぐ人気投資対象だったことがわかる。
ところで、アンケート対象の相続人のうち71・1%がこれまでに投資経験があったこともわかった。これは極めて高い数値だが、その結果、投資対象金融商品が過去の投資経験と同じような傾向を示している。これでは資産が分散されている可能性が少なく、資産の管理としては不十分な懸念がある。受け継いだからには、しっかりとした管理が必要だ。今一度、投資資産の配分を再考してみる必要がある。
■野尻哲史(のじり・さとし) フィデリティ退職・投資教育研究所(http://www.fidelity.co.jp/retirement/)所長。1959年生まれ。一橋大卒。82年、山一証券入社。山一証券研究所で米ニューヨーク在住アナリストなどを経験した。メリルリンチ証券調査部などを経て、07年より現職。『老後難民 50代夫婦の生き残り術』(講談社+α新書)など著書多数。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。