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「相続貧乏」にならないための4大節税作戦

「これまで相続税は、一部の富裕層だけが支払うものでした。しかし、’15年1月から税制が変わります。もはや、庶民も無縁ではありません」
 
そう警鐘を鳴らすのは、公認会計士で税理士の五十嵐明彦さん。『子どもに迷惑をかけたくなければ相続の準備は自分でしなさい』などの著書もある、相続問題のプロだ。
 
「今回の相続税改正で最大のポイントは、基礎控除額の大幅な引き下げ。現行では5千万円+(1千万円×法定相続人数)が基礎控除額ですが、来年からは3千万円+(600万円×法定相続人数)と、およそ4割も控除が減額されます。これによって、相続課税の対象となる人が大幅に増える見込みなのです」
 
たとえば、7千万円の財産を持つ夫が亡くなり、妻と2人の子が相続する場合、現在は基礎控除額が8千万円のため、相続税とは無縁だが、改正後は基礎控除額が4千800万円に下がり、差額の2千200万円が課税対象に。
 
「また、相続税は現金一括払いが原則です。親の自宅を相続したものの、税金が払えず借金をしたり、自宅を売却する羽目になる“相続貧乏”になる可能性も」
 
そこで五十嵐さんに、生きているうちにできる、相続税を安くする4大節税作戦を教えてもらった。
 
【1 早いうちから「生前贈与」!】
「生前贈与にも基礎控除があり、1年間で1人あたり、110万円までは課税されません。1人に毎年、110万円を贈与すれば10年で1100万円。奥さんと子供、さらにその妻や孫にも贈与できるので、できるだけ多くの人に贈与を始めましょう。ただし、贈与は契約のため、お互いの合意が必要。簡単なものでいいので、毎年、贈った側と受け取った側の合意をしめす、贈与契約書を作りましょう」
 
【2「生命保険」をフル活用!】
「生命保険には非課税枠があり、法定相続人1人あたり500万円までが非課税。妻と子供2人なら、合計1千500万円までが非課税になります。払った額とほぼ同額が返ってくる『一時払い終身保険』なら、80歳を過ぎても加入できるプランが少なくありません。保険としての価値はありませんが、単純におカネを移動させるだけで相続財産を減らせるため、節税効果は絶大」
 
【3 宅地は「小規模宅地等の特例」を】
「自宅を相続したときには『小規模住宅等の特例』を使えば、土地の評価額を8割、減らすことができます(5千万円の土地なら1千万円に)。この特例は、配偶者が相続するだけなら、いっしょに住んでいなくても必ず使えますが、それ以外の法定相続人(子など)が相続する場合は、同居していることが条件となります。ただし同居していなくても、相続の発生日から3年前まで、自分の持ち家がない(賃貸で暮らしているなど)場合にも使えます」
 
【4 資産は「現金より不動産」のほうが節税に】
「現金は、持っている額にそのまま相続税がかかりますが、不動産は相続税法で定められた評価額が適用されます。しかしこの評価額が、一般で売買される不動産より安いことが多いんです。たとえば5千万で買った土地でも、評価額では4千万円となり、そのため、現金より不動産資産を持ったほうが、相続税は安くなる傾向にあります」
 
あらかじめ備えておくことで、余計な出費も、無用な争いも避けられるはず。「縁起でもない!」などと言わず、資産の整理はお早めに!

女性自身より引用

この記事を監修した行政書士

P.I.P総合事務所 行政書士事務所

代表

横田 尚三

保有資格

行政書士

専門分野

「相続」、「遺言」、「成年後見」

経歴

P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。


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