家督相続(家制度) その2
今回は「戸主」についてご説明します!
今でいう、「筆頭者」みたいなものですね。以下ご覧ください。
今でいう、「筆頭者」みたいなものですね。以下ご覧ください。
戸主は、家の統率者としての身分を持つ者であり、戸籍上は筆頭に記載された。このため、戸籍の特定は戸主の氏名と本籍で行われることになる。
戸主権・戸主の義務
戸主は、家の統率者として家族に対する扶養義務を負う(ただし、配偶者、直系卑属、直系尊属による扶養義務のほうが優先)ほか、主に以下のような権能(戸主権)を有していた。
●家族の婚姻・養子縁組に対する同意権(改正前民法750条)
●家族の入籍又は去家に対する同意権(ただし、法律上当然に入籍・除籍が生じる場合を除く)(改正前民法735条・737条・738条)
●家族の居所指定権(改正前民法749条)
●家籍から排除する権利
●家族の入籍を拒否する権利
●戸主の同意を得ずに婚姻・養子縁組した者の復籍拒絶(改正前民法741条2・735条)
●家族の私生児・庶子の入籍の拒否(改正前民法735条)
●親族入籍の拒否(改正前民法737条)
●引取入籍の拒否(改正前民法738条)
●家族を家から排除する(離籍)権利(ただし未成年者と推定家督相続人は離籍できない)
●居所の指定に従わない家族の離籍(改正前民法749条)
●戸主の同意を得ずに婚姻・養子縁組した者の離籍(改正前民法750条)
女戸主
戸主は男性であることが原則であるが、女性であっても家督相続や庶子・私生児などによる一家創立など、女戸主もあり得た。しかし男戸主に比べ、いくつかの差異があった。
●隠居するには、年齢その他の要件を満たしている必要があるが、女戸主の場合は年齢要件を満たす必要がない(改正前民法755条)
●(男性の)戸主が婚姻して他家に入るには、女戸主の家に婚姻で入る場合と婿養子縁組(婚姻と妻の親との養子縁組を同時に行うこと)に限られたが、女戸主が婚姻するためであれば裁判所の許可を得て隠居・廃家ができた(改正前民法754条)
●婚姻により夫が女戸主の家に入る(入夫婚姻)際、当事者の反対意思表示が無い限り入夫が戸主となった(改正前民法736条)。ただし1914年(大正3年)以降の戸籍法では、入夫婚姻の届書に入夫が戸主となる旨を記載しなければ、女戸主が継続する扱いであった。
戸主の地位の承継(家督相続)
戸主の地位は、戸主の財産権とともに家督相続という制度により承継される。相続の一形態であるが、前戸主から新戸主へ全ての財産権利が譲り渡される単独相続である点が現在の民法と大きく異なる。
家督相続は次の場合に行われる。
●戸主が死亡したとき
●戸主が隠居したとき
●戸主自身が婚姻し別戸籍に去ったとき
●女戸主が入夫婚姻を行い夫に戸主を譲るとき
●入夫婚姻により戸主となった夫が離婚により戸籍を出るとき
●戸主が日本国籍を失ったとき
●家督相続人(新戸主)となる者は、旧戸主と同じ家に属する者(家族)の中から、男女・嫡出子庶子・長幼の順で決められた上位の者、被相続人(旧戸主)により指定された者、旧戸主の父母や親族会により選定された者などの順位で決めることになっていたが、通常は長男が家督相続人として戸主の地位を承継した。
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この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。