相続で配偶者の権利保護…婚外子格差撤廃受け
民法の相続に関する法制見直しを検討してきた法務省のワーキングチームは29日、未婚の男女間の子(婚外子)への遺産相続格差をなくす改正民法の成立を受け、配偶者を法的に保護する方策を盛り込んだ報告書案の概要を公表した。
配偶者の居住権保護などが柱だ。これを受け、上川法相は2月の法制審議会総会で、民法改正に向けた検討を諮問する見通しだ。
婚外子への遺産相続の格差をなくす改正民法は2013年12月に成立したが、自民党では「婚外子への相続分が増えれば、家以外に相続財産がない場合、配偶者は住み慣れた家の売却や退去を迫られる可能性が高まる」などの問題点が指摘されていた。
このため、報告書案は、配偶者が相続の際、それまで住んでいた家に住み続ける権利(居住権)を取得できる仕組みを提案した。長期の居住権の場合は、自身の相続分の一部、または全部と引き換えになる。
また、遺産分割において、遺産を夫婦が結婚後に協力して形成した財産とそれ以外に分け、協力して形成した財産部分の配偶者の取り分を増やし、介護などの貢献度を反映させる案も示した。
一方、これらの改正を行った場合、貢献の程度の算定などで遺産を巡る争いが一層複雑になる可能性も指摘した。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。