何でも相続できるわけじゃない 保険金など対象外
日本経済新聞にこんな記事が載っていました。
以下、引用。
原則では、財産はその人が亡くなった時点で遺族(相続人)の「共有財産」とみなされます。土地や建物、家財、株式、ゴルフ会員権といったものがあてはまり、相続人の間で分割すべき対象になります。保険金はこれらとは区別されているのです。
保険金以外で固有の財産とみなされるのが「死亡退職金」です。会社員や公務員が在職中に死亡したときに遺族に支給されることがあります。やはり「遺産分割の対象にならないことが多い」と弁護士の北野俊光さんは言います。
死亡退職金を誰が受け取るかは、会社の規定や法律・条例などに基づいて決まります。必ずしも民法上の相続人と一致するとは限りません。死亡保険金と同様、分割対象にすべきだと求められても原則、応じる必要はないのです。
ただし考慮すべき点はあります。死亡保険金の額があまりにも多く、分割できる財産が極端に少ないようなケースです。バランスを著しく欠くなら、相続人の間で対立が深刻になるのは必至です。
最高裁も、到底認めることのできないほどの不公平が生じている場合は、保険金を相続財産に含めることを例外的に認めるべきだとしています。そんな場合は、弁護士など専門家に相談してみましょう。
ちなみに、預金など分割可能な金銭債権は厳密に言えば、共有財産にはあたらないと解釈されています。相続開始と同時に法定相続分に応じて分割されるべきだという判例があります。ただし現実には、相続人全員の合意があることを前提に、分割対象になることが少なくありません。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。