~「相続を放棄するから!」という意味にアドバイスして解決!相続手続きサポート(M市T様)
ご依頼の状況
無職で一人暮らしの80歳女性(被相続人といいます)が令和2年1月にお亡くなりになりました。結婚歴がなく、お子さんもいないこと、ご両親はすでにお亡くなりになっていることから姉(88歳)と妹(76歳)の二人が相続人です。ほかには兄弟はいませんでした。
相談に来られたのはそのうち妹のT様。死亡した女性には借地の上に建つ古家(借地で古家の価格は50万円)と預貯金100万円がありました。
相談内容
実は姉と妹は仲が悪く、女性の葬儀は妹のT様一人で行ったとのこと。葬儀費用はT様が支払い、いろいろな手続もT様がされました。その手続きには費用が掛かりましたが、T様は姉が「私は相続を放棄するから」といったため、自分がその費用を支払い、古家と預貯金を解約できるから後日精算すればいいと考えました。
そして被相続人が亡くなって4カ月ほどしたときに、姉が相続を放棄したからT様のみで預貯金解約や古家の名義変更できると思ったところ、銀行でも法務局でも「そのままではできない」と言われ、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)へ相談に来られました。
サポート事例
結論からお伝えしました。ポイントは次の通りです。
①家庭裁判所で相続放棄を済ませたのかの確認
姉が相続を放棄したということですが、家庭裁判所での相続放棄を済ませたのか、ただ単に自分は財産はいらない、相続に関わりたくないと言っているのかどちらなのか確認してほしい旨です。
②被相続人には「相続債務」があり支払い義務がある
M様が立て替えたもろもろの費用は家庭裁判所での相続放棄した人は負担する必要はないけれども、そうではない場合は被相続人がお世話になっていた病院代等の医療費の支払い義務は相続の対象となります。病院の医療費などは被相続人に支払い義務がありますが亡くなった後は、被相続人の「相続債務」となり相続人が相続します、つまり支払い義務があるのです。
これらのことをお伝えし、M様が姉に上記の①を確認したところ、姉は
「家庭裁判所での手続なんてしてないですよ。放棄するというのは、古い家はいらないということよ。お金があるのだったら少しは欲しいわ」とのことでした。
M様はこういう手続は自分ではできないとのことで、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)に相続手続一式代行サービスを依頼くださいました。
結果
古家はM様の名義に相続登記をいたしました(協力先司法書士による)
被相続人の預貯金はM様と姉と半分ずつでわけました。
そして肝心の医療費については、はじめは姉は「なんで私が払わないといけないの」と言っていたそうですが、「相続債務」であることから、M様と姉と半分ずつ負担しました。
このように、「相続放棄」という言葉は、世間で使われている意味と、実際とは違うことが多いですから、早めに専門家に相談して解決してください。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。