事務量の多い兄弟姉妹相続サポートも解決④~「解約の時期に要注意!信用金庫の出資金の相続手続きは解約時期に注意」(O府M市M様)」
ご依頼の状況
M様(65歳)はO府O市にお住まいです。
令和3年1月に妹のA様が亡くなり、ご自身を相続人とする相続手続きを進めようとしているところです。
相続人は兄弟姉妹だと聞いたので自分だけだと思っていましたが、A様名義の金融機関に手続きに行ったら自分だけではないということなので、いったいどういうことなのか教えてほしいと、まずは大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)の無料相談を希望されました。
相談内容
被相続人A様の財産を調査していくと、A様はJ信用金庫に預貯金をもっていました。
そこで大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)では、「信用金庫に預貯金がある方」については、被相続人の死亡時点での残高証明書を請求するときには、かならず「出資金」があるかもしれないと考えて、その有無も調査しますが、今回のA様のケースでもその調査をしました。
するとA様は出資をしていたようでした。
大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)の担当者は、相続人のM様にA様名義の出資証券があるかもしれないので探してほしい旨伝えましたが、証券がどこにあるのかわかりませんでした。
この後、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)の担当者は「信用金庫の出資金証券」をもつ被相続人A様の相続人M様からの依頼に基づき、どのような手続きを進めたのでしょうか。
今回は下記の「事務量の多い兄弟姉妹相続サポート」連載第4回目です。
過去の記事もご確認ください。
「事務量の多い兄弟姉妹相続サポートも解決①~代襲相続で甥姪も相続人~」(O府O市M様)」
「事務量の多い兄弟姉妹相続サポートも解決②~ちょっと待った!いつもとちょっと違うんです。小規模企業共済の相続手続き」(O府O市M様)
「事務量の多い兄弟姉妹相続サポートも解決③~ちょっと待った!いつもとちょっと違うんです。小規模企業共済の相続手続き」(O府O市M様)
結果
次の流れで進めました。
①まずはJ信用金庫に確認して、「出資金の相続についての扱い」について確認しました。
一般的に、信用金庫や農業協同組合の出資金も相続財産であり預貯金と同様に相続人から相続を証する証明書、遺産分割協議書などを提出して、取得する相続人が“相続による名義変更”、つまり「承継」か、“相続による脱退”つまり「解約」かを申し出ることができることになっています。
J信用金庫でもその2択でした。
②相続人M様には「出資をそのまま承継しますか?もしくは解約して現金にしますか?」とたずねましたところ、「解約したい」とのことでした。
③M様からの解約手続きについてJ信用金庫に確認しました。
ポイント
ここでのポイントは、出資証券の解約、つまり脱退による払い戻し手続きは原則年1回だということです。
出資金の払い戻しは、その団体つまり今回ではJ信用金庫の事業年度終了後にしか現金化できないことになっているのです。
つまり、被相続人A様は令和3年1月にお亡くなりになり、出資金の脱退手続きの書類を8月に信用金庫に提出しましたが、その解約手続きが完了してM様の手元に移るのは、令和4年4月以降なのです。
M様にはこのことを伝えまして、4月までお待ちいただくことになりました。
以上のように「出資証券の相続手続き」については、出資金があることを漏れのなく確認することと、手続きが完了する時期にも注意することが大切です。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。