相続対策!婚姻届不受理申出届け手続きと遺言の事例(O府K市)
ご依頼の状況
C様(47歳)はO府K市にお住まいです。
このたび、父Aさんが一緒に暮らしている女性Bさんのことで、気になることがあるので相談したいと、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)に無料相談に来られました。
なお家族構成は次の通りです。
※個人情報保護のため、設定を一部変更しております。
相談内容
・C様は父A様の子であり、ほかにA様の子どもとしてD様がいるとのこと。相談にこられたのはC様とA様です。今回のご相談はD様にも事前の了承をいただいているとのことでした。
・A様の財産は、預貯金3000万円と、その他に収益物件としてマンション1棟があります。
そのマンションの一室に、Aさんと内縁のBさんとで暮らしています。
・最近AさんとBさんの仲が以前よりも悪くなってきたところ、どうもBさんはそれまでAさんの財産を散財してきた形跡があり、またAさんの通帳はBさんが管理したままであることから、AさんとCさんはどうにかしてAさん自身の財産を守りたいと考えています。
・先日、Bさんが「Aさんとの婚姻届を出したい」と言いだしたそうです。A様はそれを聞いて、もし婚姻届が出されてしまったらどうなるのか気になっで不安ですとのこと。
実は、A様はB様と同居を始める前に、お互いに財産は持っているし、相続関係がややこしくなるので婚姻届は出さないでおこうと話し合って決めていました。それなのに今になってBさんから婚姻届の話がでたからです。
これらの内容を確認したのちに、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)はどのようにサポートをしたのでしょうか。
結果
・「婚姻届不受理申出届」という手続きがあるので、Aさんが住所地の市役所戸籍課でその届をだすのはどうかと提案しました。
※「婚姻届不受理申出届」とは
以下、大阪市のHPより引用
婚姻、離婚、養子縁組なども総じて「不受理届」という制度があります。
届出によって効力を生ずる「婚姻届」、「離婚届(協議離婚)」、「養子縁組届」、「養子離縁届(協議離縁)」、「認知届(任意認知)」について、本人の意思に基づかない届出がされても、自ら窓口に出頭して届出たことを確認することができない限り、届出を受理しないよう申し出るものです。
不受理申出は、申出人が取下げしない限り有効です。
申出人は誰か?
本人の意思に基づかない、以下の届出をされる恐れのある方
- 婚姻届・・・夫になる方、妻になる方
- 離婚届(協議離婚)・・・夫、妻
- 養子縁組届・・・養子になる方(15歳未満の場合は法定代理人)、養親になる方
- 養子離縁届(協議離縁)・・・養子(15歳未満の場合は離縁後の法定代理人)、養親
- 認知届(任意認知)・・・認知する父
申出場所は?
申出人の本籍地または所在地の市区町村役所
※原則、郵送による申出は受付けできません。
申出の際に必要なものは?
1.不受理申出書
2.申出人の本人確認書類
同時に遺言書も作成
Aさんはこの届を出すのと当時に、お子さんたちへ相続させる遺言書を公正証書で残しました。
不動産はCさん、預貯金はCさんとDさんへ半分ずつという内容でした。
Aさんが亡くなられてから遺産分割協議をすることもできましたが、遺言は遺言者の意思がよりはっきりと反映されますし、相続開始後の手続きもスムーズに進みます。
今回は、不動産が収益不動産ということもあり、スムーズに相続手続きが進むということは、相続人にとって大変メリットがあります。
AさんとCさんはこうおっしゃいました。
「こんな届があるなんてしらなかったです。もし万一、私が酔っ払ってしまったりしたときに書いた婚姻届が役所に提出されてしまったらどうしようかと心配していました。これで安心です。また遺言書を残すことで、CとDがそのあと手続きが楽になるだろうことも安心になった原因です。今回相談して良かったです。」
なお、婚姻届を提出する際は、いまは夫も妻も本人確認が必要です。もし夫か妻の片方不在で提出されたとしても、「婚姻届が出されたが間違いないか?」という内容の通知が、不在であった方に郵送されます。さらに、心配を払拭するためには、今回の不受理届は有効な手続きといえるでしょう。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。