相続対策(円満相続の準備)
円満相続の準備
相続では、遺産を巡る争いや、相続税の納付など、何かと問題が発生する可能性があります。
円満な相続に向けて、元気なうちに出来ることを準備しましょう。
「うちの子供たちに限って、もめることはない」
そう考え続けて、何も対策をしなかったばかりに、ドロ沼の相続問題に繋がることは少なくありません。
むしろ、いま起こっている相続問題の大半は、こういったご判断が原因になっているかもしれないのです。
相続においてトラブルが発生する主な原因は、相続人・被相続人・その他親族の言動やおかれた状況によって生じる見解の差によるものです。
たとえば・・・
・相続財産の大半が不動産で、各相続人への分割可能な財産がない
・相続財産全体がつかめない(財産目録が無い場合や、不正確な場合)
・相続財産が相続人の予想を超えて多い、または少ない
・被相続人が特定の相続人に多額の贈与をしていた
・相続人に、後妻、養子、非嫡出子などがいる
・相続人以外の人が遺産分割協議に口出しする
・相続税が思った以上に発生してしまい、手元のお金が不足してしまう
いま、現時点では想像もつかないトラブルが、相続では発生してしまうのが現実です。
もちろん、相続人の方だけに原因があるわけではなく、ご自身にも考えもしなかったことが発生するかもしれません。
認知症になることにより、財産管理・処分の意思能力がなくなった場合、上記のような問題に対して生前に有効な対策をとることができなくなるので、事態はさらに複雑さを増します。
相続争いのデメリット
遺産相続争いは、親族間で取り返しのつかない不幸な結果を招きかねません。
それ以外にもこんなデメリットがあります。
・時間をいたずらに浪費する
・精神的にも体力的にも消耗する
・余計なお金がかかる
・遺産分割後にしなければならない手続きが遅れる
・分割を条件とする相続税法上の特典が受けられない
・相続人同士の関係自体が修復できない
相続争いをしている間に、時間もお金も精神も浪費する事になります。
ケース別相続トラブル予防法
遺産の分け方に関するトラブル
→大半は、正しく遺言を作成し、執行すれば防げるとされています。
ただ、相続人の間では全く問題がなくても、ご自身の意思が全く反映されないようなケースも発生しないとは限りません。
遺言執行、死因贈与契約などを組み合わせるなど、いま置かれた状況をよく判断して、予防をすることが望ましいでしょう。
残された家族や大切な人が、ご自身の遺産を巡って争わないために、生前にきちんとした遺言を作成しておきましょう。
詳しくは、遺言のページをご覧ください。
相続税対策
→上記の納税対策とは違った観点で、やはり負担の大きい相続税をなるべく減らしたいという要望は年々増えています。
相続税の対策として意外に有効なのが生前贈与です。
現在、年間110万円以下の贈与は課税されず、申告も不要なため一番シンプルですが、それ以外にも各種の特例制度があり、上手に活用すればかなりの節税になります。
→詳しくは、贈与のページをご覧ください。
認知症になったときのための対策
→最近話題の「オレオレ詐欺」のように、詐欺事件や悪徳商法では、高齢者がその被害者となっているケースが非常に多くあります。
認知症になった後、また認知症になる前から、任意成年後見制度などを利用して、詐欺などにより重要な財産を失わないような対策をしておく方は年々増えています。
また、最近は財産管理委任契約や、ホームロイヤー契約など、認知症になる・ならないに関わらず、財産・契約保全のための手段が採られるようになりました。
→詳しくは、成年後見のページをご覧ください。
遺言や成年後見制度ではできない相続を実現する
→遺言は、自分が望む相手に財産を相続させることができますが、一度きりで終わってしまうため、その後の使い道までは指定できません。
また、成年後見制度は判断能力が低下した場合に財産の無駄遣いを抑えることができますが、資産運用や贈与はできません。
これらをクリアする制度に「民事信託」というものがあります。一度検討してみて下さい。
→詳しくは、民事信託・家族信託のページをご覧ください。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。