④相続開始前に前に母の実印、通帳を奪われた!犯人は身内!?
母との同居がきっかけで・・・
最近相談が増えてきております、生前の父母等の財産の管理についてお話ししましょう。
事案は至ってシンプルですが、良くある事例の一つを取り上げましょう。
ある大阪のご家庭で、父が他界して母が残され、寂しい思いをさせまいと兄弟の一人が同居することに…
もちろん、母への優しさから行動にでたことではありますが、兄弟間での認識は徐々に変化していきます。
初めは、同居の息子Aが住むことになり、姉のB、妹のCも納得、むしろ助かるとの思いで感謝するほどでしたが、時が経つにつれて母の具合が悪くなり、入院が多くなりはじめると兄弟間で相続時のことなども認識し始めます。
長年同居していた息子としては、病院までの送迎や日々の生活費など何も考えず暮らしているのですが、ある日、妹からAに電話が入り、『お母さんの財産どれくらいあるの?』と云われ、分からないと答えました。
この一言から、始まったのです。
妹は、なぜ教えないのか?を不審に思い、財産を必要以上に使い込んでいる。と推理するわけです。その結果、財産を守ろうと姉と同盟を組んで、Aに執拗に連絡を取り始めます。Aからすれば、何も今までと変わりない暮らしをしていたところに、財産の使い込みだのと疑われ反撃に出るわけです。
大阪相続遺言相談センターには、上記のケースの息子Aの立場の方、妹姉BCの立場の方が大勢来所されます。
それぞれの思い
●息子A側の方は、泥棒扱いされてる、実印、印鑑証明などを返せと言われる。長年お世話をしてきたことへのねぎらいの言葉がない。少々のお金をもらうのは当然だ。
●妹姉BC側の方は、親のお金の使い込みしてる。遺言を強制的に書かしてる。不動産の名義を勝手に変えてる。私たちは一切もらっていない。重要物を取るのは犯罪だ。
双方の意見はこのような形になってしまうことが多いのです。
上記のようなことがおこった時は、後の相続のためにどのような対策を取ればよいのでしょうか?
次回は、父母の預金を守るには?犯罪者呼ばわりを避けるには?
についてお話しましょう。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。