⑨相続して良いのか?負債調査はどこまで出来るのか?
放棄できる期限は3ヶ月
突然のお手紙で相続人であることを知らされたときや、音信の無かった親が亡くなったことを知ったときなど、すぐに相続をして良いものなのでしょうか?
答えはNOです。
相続をするかしないか、考える猶予は3か月しかありません。ですから、焦ってしまう気持ちもわかりますが、相続放棄をする場合、自己のために相続の開始があったことを知ってから3か月以内。と書かれておりますが、亡くなった方(以後、被相続人といいます。)の死亡日から3か月以内ではないので、正しく知って置く必要があります。そして実務上も相続放棄を受理してもらえるケースは、範囲が広くなっております。
財産の調査を行う
さて、財産を相続して良いのかということを考えていきましょう。
自身が相続権があると分かったら、放棄できる期限をまずはしっかりと把握しておきましょう。3か月です。この3か月の間に、一先ず、財産の調査を行うことが肝心です。
プラスの財産は比較的通帳や、不動産の固定資産税の納付書をみればわかると思います。
しかし、負債の調査はどのようにしていけば良いのでしょう。負債の調査もある程度可能になります。財産調査機関には、借り入れなどを調査してくれる機関もいくつか存在します。その機関に登録をしているカード会社や銀行などの情報をすべてしらべることが出来ます。皆さんが聞いたことあるな。。。と思うような会社はほぼ登録されていると思います。例えば、アコム、プロミス、レイクなど他にも数多くのカード会社、銀行が登録をしています。
では、この機関で調べた情報をもとに、負債が出てこなければ、相続して良いのか?答えはNOです。
負債を把握する
俗にいう、町金業者、闇金などといわれる借入先はもちろん登録されていません。
他にも、会社関係などで、被相続人が連帯保証人になっているケースなども調べることが出来ません。
これらは、被相続人の最後の住所地へ赴きポストの中身を確認し、家探しをして請求書などを調べ感覚でさとるしかないのです。
被相続人が会社を経営していた、仲良い友人が会社経営をしている場合などは、念入りに調べる必要があるということです。
ですから、簡単に財産が1000万円残ってるから相続しよう!ではなく、-財産も念入りに調べましょう。
不動産であれば、法務局へ行き、不動産の登記簿謄本をとることで、その不動産に抵当権(不動産を担保に借り入れをしているかわかる。)がついているか、その借入のための担保が、他の物件にも及んでいるか否か、などが分かります。
銀行に関しては、分かる範囲でも必ず、残高証明書をとり全体の情報を得るようにしましょう。
相続放棄の伸長の申立
上記のように、相続するために、念入りに調査を行う必要があるのが分かりましたが、これでは、いざ、負債が出てきたときに相続放棄をしようとしても、3か月を超えている!?ということにもなりかねません。ですから、相続放棄の伸長の申立をおこなっておくようにしましょう。これは、一言で言えば延長です。
3か月では足りないので、もう3か月若しくは6ヶ月延長してください。という申し出になります。この伸長の手続きをしていれば、少しは余裕をもって財産調査をすることが出来るかもしれませんね。
以上のようなことを踏まえて、答えから言いますと、負債を100%調べるということはできないのです。
財産調査に必要な戸籍を集めたり、銀行に残高証明書の発行をいらいしたり、負債調査機関に依頼をしたり、法務局へ出向き不動産の調査をしたり、家庭裁判所に伸長の申立をするなど、相続するか否かを定めるためにも、かなりの労力を要します。だからと言って、これを怠ると人生を棒に振ってしまうかもしれないような事態になるかもしれない。
相続するか放棄するか判断する前に・・・
大阪相続遺言相談センターでは、もちろんお客様がお仕事が忙しいという理由だけでなく
人生を変えるかもしれない、相続すべきか?いなか?という答えを導き出すためのお手伝いをしておりますので、是非一度無料相談をご利用ください。
また、相続をすることになれば、なおの事、次に待っているのは、不動産の名義変更、銀行の解約をするための書類集め、これは、相続をするか否かで行ってきた作業以上の行動、知識などを要します。
相続を放棄する、となれば、家庭裁判所にたいして、相続放棄のための申述が必要ですし、また、放棄後の事象についても対応していくことが必要になります。
ご自身が放棄をしたら、債権者に申述受理証明書を送ったり、第二順位の相続人の方たちに負債が行くことを連絡したり、またその方たちの放棄の手続き、それが終わると第三順位の相続人の方たちの相続放棄の手続きなど、やるべきことが多岐にわたっております。
簡単に、相続する、放棄するとなる前に一度ご相談ください。
次回は、税金対策出来ていると思ったのに!!?円滑な相続のための税金対策など!
についてお話しましょう。
ハムスターの独り言。
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この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。