㉒1分の自筆証書と公正証書のちがいは!?
誰にも知られずつくれるメリットが、デメリットにもなる
前回で記した1分でできる自筆証書遺言ですが、効果は間違いなくありますが、では公正証書遺言と比べて、相続開始時にはどのような違いが生まれるのでしょうか?
思い出していただきたいのは、自筆証書遺言のデメリットともいうべきもので、
自筆証書は、書いた方が単独で記載出来、内容も他人に知られることはありませんが、それゆえに書いた事実を知るものもいないのです。
それは、書いた事実というよりも、通常の心理状態、はたまた遺言能力があったか否かも分からないのです。相続を多く受ける者が隣にいて強要して書かせたとも考えることもでき、同居している者たちがいる場合は尚更です。
書いている本人は、その瞬間は元気そのものですが、その1年後に認知症と診断されている場合は、書いたその日も認知症だったのでは?となってしまいます。
強要や認知症の疑いを避けるためには・・・
遺言を発見されるのは、書いてから1,2年後であるとは限りません。遺言日からすれば5年10年後であることも多々あるのです。むしろその方が多いといっても過言ではありません。ですから、公正証書遺言によって証人2人及び公証人の面前で遺言することが大切になるのです。
公正証書であっても、内容の記載の仕方が悪ければもちろんもめる種となりえますが、自筆証書遺言を公正証書にするだけで、大きな変化が存在することを認識いただけたらと思います。もちろん、検認も必要なくなるので、相続開始後の手続きのスピードにもおおきな開きがでてくることは、言うまでもありません。
次回は、相続と生命保険、医療保険は相続財産!?特別受益とは!?
についてお話しましょう。
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この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。