㉕海外に預金があると、引き出し出来ない!?
海外にある預金口座
今回は、海外の相続について少し触れてみましょう。
大阪在住のお客様のご相談で遺言を発見して、遺産分割も完了し無事に相続手続きが完了したと思っていると、なんと海外に預金口座が存在しており、どのようにしていいか分からない!とのお話でした。相続人は全員日本人で日本在住なのですが・・・
海外では、日本と違い法定相続人自体の考え方が変わってきますので、とても困難を要します。
まずは、現地の銀行へ最終的に足を運ぶことが大前提です。何しろ日本には存在しない銀行なのですから・・
手順を簡潔に書きましょう。
①当該預金のある海外銀行と打合せ。
②日本での遺産分割協議書を作成
③日本での認証
④海外へ持ち込む
と上記のように簡単簡潔に書きましたが、上記はイメージです。
国内のようにスムーズにはいかない現実
まず①にある海外の銀行との打ち合わせの段階で、問題が生じますね。英語ならまだしも韓国、中国となると、私がバイリンガルなら良いですが、そうでもありません。
②で遺産分割協議書を作成とありますが、こちらも日本での相続人での協議が通じるわけではないので、海外で定められた相続人を探し、協議書を作成する必要があります。
③に関しては、相続に関しての戸籍、印鑑証明書、遺産分割証明書などは海外に持ち込んでも内容がさっぱりわかりませんよね。ですから、翻訳したり、公証役場での認証を受け正式なものであるとの証明が必要になるわけです。④は現地に行くには費用がかさむことは言うまでもないでしょう。
相続は相続でも海外相続となるとこうも手続き方法が変わってしまうのですね。
次回は、2年前の母の相続税が必要なの!?父だけでいいのでは!?
についてお話しましょう。
ハムスターの独り言。
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この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。