空家の所有者は10年前に他界。そこに住み続けている長男。転勤になったので売りたいなあ。このままで売れる?
第9話~空き家を売りに出す準備とは~
大阪相続遺言相談センターです。
第8話では、空家を相続するにあたり、「代償分割」という方法があるということと、その場合の遺産分割協議書の書き方についての注意点を述べましたね。
私たちは、相続人の合意の内容をお伺いして、遺産分割協議書案を作成しました。
<サポート②~空き家を売るための準備>
遺産分割協議書に、相続人全員の署名・実印を押印したものが完成しました。
そして協力先の司法書士をご紹介して、相続登記手続きしました。
はれて空き家とその底地はAさんだけの名義になりました。Aさんは現在住んでいないこの空き家を売るために何から手をつけたらいいのか、相談に来られました。
ところでみなさま、空き家の現状はご存知でしょうか。大阪相続遺言相談センターでも、最近、空き家相続の相談が非常に増えています。統計上の空き家がどれくらいなのか、調べてみました。
総務省統計局平成25年住宅土地統計調査(http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.html)
によると、すべての住宅戸数に占める空家率は13.5%で820万戸もあり現在も増える一方です。
今回のAさんのようなケース、つまり住んでいた人が死亡し、相続人が相続したけれども、誰も住まないという、ケースが典型的な空き家になる理由ですね。
では話をAさんに戻します。
Aさんはこの空き家を売りたいと考えたら、まず何から準備しておくべきでしょうか。
次の3点をお話ししました。
1つ目は、空き家内の家財道具の整理・お片付けを済ませることです。ここで、費用もかかるし何とか自分のあいた時間で、という方もいらっしゃいますが、お亡くなりになったお身内の品物が残っていると、つい思い出に浸ってしまいなかなか片付けは進みません。
貴重品、アルバム等とくに思い入れのある物、そして次に書きます書類以外は、いっそのこと遺品整理業者などのプロに依頼して整理されることをお勧めします。
2つ目は、その空き家を購入したときの資料一式を探し出し、まとめておくことです。売買後の税務申告手続きなどで必要になりますし、土地の境界確定が済んでいるのかどうかなどがわかれば、不動産を売り出す際の条件や価格にも大いに影響します。
3つ目は空き家に詳しい不動産業者を見つけることです。私たちも、ご相談を受けて不動産業者をご紹介させて頂くことがよくあります。
Aさんは、空き家を売るという一大イベントを開始するにあたり、この3点に取り掛かりました。さてAさんの思うように売れるのでしょうか。
続きは次回のお楽しみに。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。