事実婚とお金のこと① ~ 事実婚と内縁とどう違うの?~
大阪相続遺言相談センターです。
センターには単純な相続のお手続きのご相談以外にも、家庭環境に応じた相続の対策や婚姻・離婚についての相談も多く寄せられます。
今回からのシリーズでは、「事実婚・内縁と財産のこと」にスポットを当てて実例を織り交ぜながらお伝えしますね。
<事実婚と内縁との違いは?>
新聞雑誌、テレビなどで「事実婚」という言葉をよく聞くようになりました。
ひと昔前は「内縁」という言葉の方が多かったかもしれません。
では「事実婚」と「内縁」との言葉の違いと使い分けはどうなっているの?
と、相談者から聞かれることもあります。
まずは辞書で調べてみました。
「事実婚」とは「法律上の婚姻をしていないが、社会的に夫婦と同一の生活を送っていること。」を言います
「内縁」とは、さきほどの事実婚要件に加えて、「特に、婚姻の意思がない場合のこと」をいいます。
つまり、社会的には夫婦同然の生活であり本人たちに「婚姻している。夫と妻である」と周りに証明できる場合やは「事実婚」、社会的には夫婦同然の生活だが、本人たちは「婚姻しているとは思ってない、いっしょに暮しているのでまわりから夫婦だと思われてもしかたがない場合は「内縁」であると、お答えしています。(出典:大辞林第3版)
しかし、これだと漠然としすぎていますし、だれがどう証明するんだろう?と疑問ですね。
そこで、ほかにも定義を調べてみました。
「現行の婚姻制度になんらかの疑問を持ち、あえて届出をしない夫婦、姓を変えるつもりはないので届出をしなくてもいいと思っている夫婦」も「事実婚」としてみています。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
なるほど・・・・・と思われましたか?
では、第三者に客観的にどのように「事実婚」を証明するのでしょうか。
センターの相談員が「事実婚」であると申し出た相談者にまずお聞きするのは
~住民票上の住所が同じで、同一世帯で、女性の続柄に「妻(未届)」と記載されているかどうか~です。
一緒にすんでいるだけではなく、住民票という公的なものでここまで記載されていると、「事実婚」であると証明しやすいのです。
(あくまで証明力の問題ですので、この記載がないからといって事実婚を否定されるわけではありません)
事実婚と内縁との違いは、じつは財産面でも影響があるのです。
次回以降でその事例をお伝えしますね。お楽しみに
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。