ちょっとブレイク♪手紙のようなもの!?「遺言の付言事項」とは
大阪相続遺言相談センターです。
まずは恒例のスタッフ相続遺言短歌シリーズより。
「遺言で 手紙ものこせる さあ活用 秘めたる感謝 あらわしけり」
今回もまたまたちょっとブレイク♪センターで公正証書遺言書サポートのお手続きをお受けいたしました、とある親子を見て感じたことを短歌にしてみました。
実際にあった事例について
お母さまが長女へ全財産をあげますという遺言でした。お母さまには長女と長男と二人のお子さまがいました。
お母さまは夫に先立たれてからは長女夫婦とその子(孫)と同居し、面倒を見てもらって過ごしてきました。
長男は就職後関東へ赴任してからは、盆と正月ですら帰省しなくなり、どこにいるかはわかるけれど何も交流がなくなってしまった状況になりました。
作成した遺言書は公正証書にすることになり、もちろん長男の遺留分に配慮した内容にしましたが、お母さまからの「なぜほとんどの財産を長女にという遺言にしたのか、長男にわかるようにしておきたい、長女への感謝の念を、自分が死んだ後でも家族で感じてほしい」という申し出から、私たちは「遺言の付言事項」を提案しました。
「遺言の付言事項」とは、法的な効力はないけれども遺言書の末尾に記載できるメッセージのことを言います。
この付言事項を活用することにより、遺言をした人がお亡くなりになられたあと、遺された家族の争いを防ぐこともできるかもしれないのです。
このお母さまは次のような付言事項をのこしました。
「長女○○とその家族には長年お世話になりました。長女の夫〇〇さんにも良くしてもらって、感謝しかない。長男○○のことも大切に思っています。ただ就職後にほとんど会えなくなり、私が病気したときにそばにいてくれたのは長女とその家族でした。長男○○には、留学費用や生活費で十分にお金を渡したから、遺留分は請求しないでほしい。いままで本当にありがとう」
公証役場での遺言作成時には、私も証人とになり、この遺言書の調印に立ち合いましたが、お母さまはその時に泣いていらっしゃいました。
このときには付言事項として「相続分の指定について、そうした理由」を書きましたが、ほかにも付言事項としてよく書かれる内容は次の通りです。
・葬儀や法要の方法
・親族・兄弟姉妹間が仲良くやってほしいという思い
・代々伝わる家の家訓などを守ってほしいという思い
・献体や遺体の処置方法について
・自分が興した商売を引き継ぐ人への願い
これから季節はますます寒くなり冬本場へと向かってまいります。インフルエンザもはやりはじめたとのこと、皆様体調管理にはくれぐれもお気をつけてください。
次回のスタッフ日記もお楽しみに
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。