婚姻と相続と夫婦別姓について①~夫婦の姓・氏 について統計を見てみましょう~
大阪相続遺言相談センターです。
センターには単純な相続のお手続きのご相談以外にも、家庭環境に応じた相続の対策や婚姻・離婚についての相談も多く寄せられます。
今回からのシリーズでは、「婚姻と夫婦別姓」にスポットを当てて実例を織り交ぜながらお伝えしますね。
<結婚したら夫婦は同じ姓を名乗るのはなぜ?>
昨年は「令和婚」という言葉に象徴されるように、新しい元号を記念して結婚という選択をとったカップルもありましたね。めでたいことです。
ところで、結婚は法律用語では「婚姻」といい、婚姻した夫婦は、戸籍上は同じ姓を名乗ります。「姓」は「氏(うじ)」「苗字」とも言いますね。日本では民法で次のように規定されています。
「民法第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」
つまり、夫婦は婚姻のときには、夫または妻どちらかの氏を名のならければならないのです。また、戸籍法では次のように規定されています。
「戸籍法第74条より抜粋 婚姻届には夫婦の称する氏を記載しなければならない」
ところで日本では婚姻した夫婦は夫と妻、どちらの氏を名乗っているのでしょうか。
平成28年度厚生労働省人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」より見てみましょう。
昭和50年では、「夫婦とも初婚」である場合に夫の氏を名乗る夫婦が99%、妻の氏を名乗る夫婦が1%でした。
平成27年度になると夫の氏を名乗る夫婦が97.1%、妻の氏を名乗る夫婦が2.9%です。
昭和から平成の時代になり、夫の氏を名乗るのが当たり前という世の中から少しずつ変わってきたとはいえ、100組の夫婦のなかで妻の氏を名乗るのは3組だけなのですね。
妻の氏を名乗る場合は、いわゆる「婿入り」の場合が多いのではないでしょうか。
次回以降でも、夫婦は同じ姓を名乗らなければならないけれど、別の姓を名乗れないの?という疑問点など、「婚姻と姓(氏)」について引き続き考えてみたいとおもいます。
お楽しみに!
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。