今年大きく動く!所有者不明土地問題について③~相続登記の義務化について2023年施行予定!最新情報!
大阪相続遺言相談センターです。
大阪相続遺言相談センターです。
フォローくださるみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
春が近づき、卒業式、入学式の季節。マスクをしたままの式典、マスク会食でお祝いなど、今年は去年に引き続き違った景色ばかりですね。
でも、そのような式に臨まれるみなさまおめでとうございます。
ところで、今回で3回目である「所有者不明土地問題」シリーズを進めてまいります。
第1回目の前回は、「所有者不明土地問題」とはどのようなものなのかについてお伝えしました。
平成30年6月6日成立、令和元年6月1日施行の「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」というものがあることについて触れ、
第2回目は、「なぜ所有者不明土地ができてしまうのか、その原因と、この問題に関する事例」についてお伝えしました。
第3回目の今回は、数年前から法務省で審議されている「相続登記義務化のゆくえ」について事実とそれに対しての当方の意見を述べます。
<相続登記義務化の最新の動きは!?>
大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)は相続・遺言の専門事務所ですので、それに関して不動産関連の相談が多く、
「不動産を持っている人が亡くなったので相続手続き進めていますが、そもそも相続登記なんてしなくてもいいですよね?」
というご質問が非常に多いです。
このように考えてしまうのも無理はありません。なぜならば相続の登記手続きをしなくても、なにも困らないかたもいますし、だれにも罰せられないからです。
実は、数年前から相続が発生したのに登記手続きをしないで放っておくことが所有者不明土地を増やす原因だからと、問題視され始めました。では国の動きはどのようになっているのでしょうか?
令和3年2月10日の法制審議会において、相続や住所・氏名を変更したときには土地の登記を義務付ける法改正を答申しました。
相続から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料が課されます。
所有者に連絡がつかない所有者不明土地は全体の2割程度にもなっており、日本国内の土地有効活用の弊害となっていますが、この法改正によりそれが防げることが期待されています。
ほかに次のような内容がこの法制審議会で話合いされています。そして令和3年3月に閣議決定ののち2023年にも改正法を施行予定です。
相続登記について
・10年間、遺産配分が決まらなければ、法定相続分割合で分割することにする
・住基ネットで行政側が死亡情報を登記できるようにする
・死亡者が名義人の不動産一覧を行政が発行する
所有権放棄制度の創設について
・土地所有権放棄制度を作る(※この内容については次回の日記で触れるつもりです)
住所・氏名変更登記、法人の所有権移転登記も義務化することについて
・発生から2年以内に申請することを義務化し、これに違反したら5万円の過料を課される
・本人の意向を確認後、行政側が登記変更することができるようにする
・海外居住者は国内連絡先を登記に記載するようにする
所有者不明土地の土地・建物を活用することについて
・公告を経て行方不明の所有者がても、ほかの共有者で管理変更もできるようにする
・行方不明の所有者がいても他の共有者がいるのであれば共有者全体の過半数で補修や短期賃貸借
できるようにする
・裁判所の許可で財産管理人を選んで売却できるようにする
このような内容が施行されましたら、相続登記を放っておくケースは減っていくのではないかと考えられています。
<この改正の動きについてワタシのつぶやき>
改正への動きは、ようやくきたか!遅すぎるわ!と考えています。
ワタシが相談を受ける相続登記ほったらかし案件では、
大正・昭和初期の名義人のままで、もう今更どうしようもない土地や、
不動産の所有者が本当に行方不明の場合に、家族がその家を売却しなければ資金繰りが厳しいにもかかわらず売るのが大変で困っている場合など、所有者不明不動産に関するものが多く、
そうなると専門家に依頼せざるをえないのに、そのような複雑案件に対応できる専門家も乏しいのが現状(大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)の専門家はもちろんこういう案件に慣れておりますのでご安心を)です。
専門家である私たちこそこの問題に危機感を感じて「相続登記をほったらかしてはいけませんよ。」と啓蒙活動も行うべきかと考えています。
ではこのシリーズの4回目に続きます。
お楽しみに
※相続登記は司法書士の業務です。今回は一般的な法改正について述べましたことご了承ください。
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。