土地や建物を寄付したいけれどできるんですか?というご質問がありました~前半~
大阪相続遺言相談センターです
いつものワタシのスタッフ日記を読んでくださり
「大阪相続遺言相談センターっていったいどんなところなんだろう?」ととても気になりだしたので、
とうとう「ファンです!」と言ってくださりお電話くださったかたかたがいらっしゃいました!
驚きましたよ。ほんまかいな?!(笑)
こんなセンターですが、相続遺言のプロフェッショナルばかりです。今後ともよろしくお願いいたします。
ところで今回は、先日とあるお客様が
「相続した財産、いらんから国や市にもらってもらいたいので、その手続をしてほしい」というご相談に来られました。
昔からの馴染みのお客様なので、オブラートに包まずにはっきりとお答えしました。
さあ、ワタシは何を根拠にどう答えたのでしょうか? 今日は、法律の専門家としてのお堅い日記です。
たまにはこんな記事も書けるのです(※地味にPRしとこ)
寄付はたんなる「贈与」なのですが、不動産の国等への寄付のときについてが、もらう側のほうがとっても強いのです。。。
➀ 国はどういう扱いなの?
まずは財務省のホームページを見てみましょう。
※引用元 財務省HP国に土地等を寄付したいと考えていますが、可能でしょうか : 財務省 (mof.go.jp) https://www.mof.go.jp/faq/national_property/08ab.htm)
財務省によると「土地等の寄付は受け付けているのか?」という問いかけに対しこう回答しています。
寄付の申出があった場合、土地等については、国有財産法第14条及び同法施行令第9条の規定により、
各省各庁が国の行政目的に供するために取得しようとする場合は、財務大臣と協議の上、取得手続をすることとなります。
なお、行政目的で使用する予定のない土地等の寄付については、維持・管理コスト(国民負担)が増大する可能性等が考えられるため、これを受け入れておりません。
この内容から見ると、
「国が国の計画などから欲しいなあと思う土地や建物しかもらわへんで。それ以外はいらんよ」
ということなのです。
② では、「寄付」って「良いこと」じゃないのか?
そもそも「寄付」の法的位置づけは何なのか調べました。
デジタル大辞泉によると、「寄付」とは「公共事業や社寺などに金品を贈ること」と定義されています。
また、民法には寄付の規定はなく、おそらく民法上は「贈与」に該当するとして取り扱われています。
(民法第549条)
じゃあ、無料であげるんだから、もらってよ!と思ってしまいますよね。
③ さきほどの国有財産法第14条及び同法施行令第9条の規定 とは何?
国有財産法第14条は次のとおりです。
次に掲げる場合においては当該国有財産を所管する各省各庁の長は財務大臣に協議しなければならない。
行政財産とする目的で土地・建物を取得しようとするとき(同条第1号)
同法施行令第9条の規定とは次のとおりです。
法第14条第1号の規定により財務大臣に協議しようとするときは~~(中略)~寄附交換の場合においては願書・承諾書を添付して財務大臣に送付しなければならない。
④ では、国ではなく地方公共団体はどうなのか?
地方自治法という法律がありまして、その第96条に規定されています。
※地方自治法という法律は行政書士試験のときに相当勉強しました。。。。思い出しちゃった
普通地方公共団体の議会は次に掲げる事件を議決しなければならない。
財産を交換し、~(中略)~、または適正な対価なくしてこれを譲渡し、もしくは貸し付ける(第1項第6号)
不動産を信託する(同第7号)
種類及び金額について条例で定める財産の取得または処分をする(同第8号)
負担付きの寄付・贈与を受ける(同第9号)
⑤ポイントは次のとおり
以上の内容をみると、国に不動産を寄付するのは相当難しいけれど、普通地方公共団体(都道府県および市町村のことをいいます)
ならば、「負担付き」ではなければ不動産の寄付もありえるのではないかな?と考えました。
そこで、大阪市の場合不動産の寄付はどうなっているのか調べました。
続きは次回へ~~!
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。