「単身入居高齢者へ部屋を貸す方へのアドバイス②~終身建物賃貸借について知っておこう」
大阪相続遺言相談センターです。
いつもワタシのスタッフ日記を読んでくださりありがとうございます!
もう年始早々より相続遺言の相談で予約がいっぱいです。
この年末年始にご家族で、ご家族の幸せのための相続準備について話し合った方が多かったのですね。
笑顔で相続について相談に来られる方のサポートができ、大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)スタッフ一同、一緒にニコニコできたのは、ご相談者のみなさまのおかげです。
本題へ!
ところで今回のスタッフ日記では、以前の続きとして、単身入居高齢者へ部屋を貸すオーナーからのご相談に応じるためには必須の内容である「終身建物賃貸借契約」についてお伝えします。
初めて聞きました!というみなさまのため、不動産法務に強い大阪相続遺言相談センター(運営:P.I.P総合事務所)よりお届けします!
<国土交通省より終身建物賃貸借契約の詳細をお伝えします>
なお、今回も前回のスタッフ日記で引用しましたのは次のページです。このガイドの内容より解説いたします。
終身建物賃貸借契約とは
賃借人が死亡することによって賃貸借契約が終了する契約のことを言います。
いったいどういうことでしょうか?
次の事例から説明しましょう。
Aさん(61歳)は、奥様を亡くして10年経ちますが、ご自身の体調が悪く、奥様と住んでいた一戸建てを売却して、駅と病院に近いマンションに引っ越ししたいと考えました。
Aさんと奥様との間には子供はなく、Aさんの両親もすでに他界、兄が一人いますがその兄も体調が悪く、兄からは、
「住み替えるのはいいけれど、もしおまえ(A)に万一のことがあったら、俺がいろんな後処理しないといけないなあ。おまえとは仲がいいから、なんでもしてやりたいのはやまやまだが、俺の体調もよくないし、できれば後処理が少なくなるようにしてほしいなあ。お前が万一のとき、お前が住むマンションにすむつもりもないし。聞いたところによると、マンションを借りる権利って、相続人が引き継ぐそうだよ。俺は引き継がなくてもいいから。」といわれました。
Aさんは、「なるほどな、家族に迷惑かけないようにしたいけど、どういう風にマンション借りたらいいのかな?」とのこと。
そんなAさんにぴったりなのが、この終身建物賃貸借契約なのです。
では、終身建物賃貸借契約を締結できる要件はあるのでしょうか?
要件は次の通りです。
1 賃貸人は、事前に都道府県知事の認可をうけなければなりません。
きちんとした業者しかこの終身建物賃貸借契約を結べないということですね。
2 賃借人は60歳以上でなければなりません。
この契約は、高齢者の居住の安定確保に関する法律によって規定されたものですから、高齢者が安心して住めるようにすることが前提なのです。
3 住宅は高齢者の居住に適したものでなければならない。
例えば、バリアフリーが整っていることや、1戸あたりの床面積要件があります。
4 賃借人が単身であること もしくは 同居者が高齢親族でなければならないこと。
※ただし、賃借人の配偶者が一緒に住む場合は60歳未満でもOK
住む高齢者が独り身であったり、同居者も高齢だからこそ、賃借人に万一のことがあったときに相続の問題を残さないようにする必要があるのですからね。
5 契約の解約理由は、賃貸人から解約する場合については「物件が老朽化したことのみ」であること。
つまり、それ以外の理由では賃借人との契約を終了させることができないことから、賃借人の居住する場所を確保できることになるんです。賃貸人の業者が横暴なことをできないようにしているのですね。
いかがでしたか。この契約があることを知っているだけで、高齢者が住む場所を探しやすいのではないでしょうか。
次回をお楽しみに!
この記事を監修した行政書士
P.I.P総合事務所 行政書士事務所
代表
横田 尚三
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
「相続」、「遺言」、「成年後見」
- 経歴
P.I.P総合事務所 行政書士事務所の代表を務める。 相続の相談件数約6,000件の経験から相談者の信頼も厚く、他の専門家の司法書士・税理士・公認会計士の事務所と協力している。 また「日本で一番お客様から喜ばれる数の多い総合事務所になる」をビジョンに日々業務に励んでいる。